6月、六月大歌舞伎 夜の部「鎌倉三代記」「一本刀土俵入」に出演いたします。
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みどころ

鎌倉三代記(かまくらさんだいき)

歌舞伎らしい趣向に富んだ時代物の名作
 北條時政との戦いで、劣勢を余儀なくされている源頼家に仕える三浦之助は、病床の老いた母長門のもとへ、別れを告げに現れます。出迎えたのは、敵方時政の娘ながら三浦之助の許嫁で長門を看病する時姫。長門は気丈にも息子との対面を拒みます。そこへ、百姓藤三郎が時政の命により、時姫を呼び戻そうとやってきます。しつこく時姫に言い寄りますが、逆に斬りつけられて井戸へと逃げ込みます。しかし、藤三郎の正体は三浦之助と共謀する佐々木高綱。三浦之助は時姫に父時政を討つように迫り、時姫はそれを承諾、高綱とともに鎌倉へと向かい、三浦之助は戦場へと戻るのでした。
 重厚な義太夫狂言の名作にご期待ください。

一本刀土俵入(いっぽんがたなどひょういり)

長い歳月恩義を忘れなかった一途な男
 水戸街道の取手宿にある旅籠の安孫子屋。相撲取りの駒形茂兵衛は、店の前での喧嘩を収めます。その様子を宿の2階から見ていた酌婦のお蔦は、一文無しの茂兵衛に手持ちの金子などを与え、いつか立派な横綱になるようにと励ますと、茂兵衛はお蔦の名前を胸に刻み、何度も礼を言いながら立ち去ります。それから10年の歳月が経ち、茂兵衛は凄みのある渡世人に、お蔦は船印彫師の辰三郎と一緒になり、娘ととに侘しく暮らしていました。辰三郎は博打でいかさまをしたため長い間行方知れずで、この土地の顔役である波一里儀十たちに追われる身。そこへ茂兵衛が現れ、お蔦の記憶が蘇り…。
 時の流れに翻弄されるなか、人と人との心の触れ合いを描いた、新歌舞伎の名作をお楽しみいただきます。